病院の経営は危機的、伊藤議員「賞与も出せない実態」

伊藤岳議員は2日の参院総務委員会で、新型コロナウイルス感染症で深刻な影響を受ける病院の実態を示し、減収分の補てんを求めました。

日本病院会など三病院協会の調査(518日発表)では、全体で4月の収益が前年同月比105%減と、経営は危機的です。

伊藤氏は、埼玉県の病院からは「コロナ患者受け入れのため半分に減らした病床分の補償がないため受け入れ続けられない」との声が寄せられたと紹介し、2次補正予算案での対応を要求。厚生労働省の吉永和生審議官は「コロナ患者対応の病床を確保するために休止した病床も支援する方向」「どういう医療機関を対象にするかは検討中」と答えました。

伊藤氏は、病院全般が受診抑制で減収となり、職員にボーナスを支給できない実態にふれ「減収補てんに踏み出すべきだ」と主張。橋本岳厚労副大臣は「ポーナスが出ないということがあってはならない」と述べましたが、同省の迫井正深審議官は減収補てんには踏み込みませんでした。

 

伊藤氏はまた、特別定額給付金の業務を民間委託する自治体があり、住民から「振込口.座など個人情報を民間業者に伝えたくない」との声が上がっていることを紹介し、実態調査を求めつつ、自治体窓口での現金受け取りは可能かと質問。総務省の前田一浩審議官は窓口支給も可能だと答えました。

医療重視のODA予算に切り替えよ

伊藤岳議員は29日、参院政府開発援助(ODA)特別委員会で、開発途上国での新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、ODAの予算配分を医療や衛生の確保、教育の推進など社会支援重視の方向に切り替えるよう求めました。

伊藤氏は、とくにアフリカでの新型コロナ急拡大を防がなければ、欧米やアジアに感染が逆流し、日本にも重大な影響を及ぼすと指摘。茂木敏充外椙は「アフリカを含めた保健・医療システムが脆弱(ぜいじゃく)な国への支援は国際社会の大きな課題だ」と答弁しました。

開発途上国でのワクチン接種を促進している国際機関「GAVI」への追加拠出を求めた伊藤氏に、外務省の塚田玉樹審議官は「ワクチンは国民を守るという観点からも必要だ」と答えました。

 

伊藤氏は、2018年度の日本のODA予算配分は、経済インフラが573%で、アメリカの33%、ドイツの195%と比較して突出している一方、日本の社会インフラへの配分はわずか158%だと指摘。「ODAの予算配分を医療衛生や教育等の社会インフラに思い切ってシフトすべきだ」と主張しました。

業者家賃補償支援を

参院総務委伊藤議員が国に要求

日本共産党の伊藤岳議員は430日の参院総務委員会で、新型コロナの影響で減収する中小事業者への家賃補償を求めました。

伊藤氏は、家賃補償をめぐる国の対策が遅れる一方、福岡市や北九州市などが財政調整基金を取り崩すなどして家賃補償を実施していると指摘。「自治体独自の家賃補償事業に地方創生臨時交付金が適用できるか」とただしました。内閣府の村上敬亮地方創生推進室次長は「家賃補助も含めて自由度高く使える。今年度の事業であれば遡及(そきゅう)して活用もできる」と述べました。

収入が前年同期比20%以上減少した事業者の地方税の徴収を無担保で1年間猶予できる改正について、伊藤氏は「幅広く適用されるのが重要だ。20%以上に至らなくとも収入減による影響を聞き取り適用すべきだ」と主張。総務省の開出英之自治税務局長は「20%未満でも個々の状況や今後の収入減少見込みに応じて判断される」と答えました。

 

伊藤氏は、コロナ危機で事業者が苦境に立たされる中、自治体が滞納者への差し押さえを強行する事例があると指摘。「コロナ後の経済の循環を考えても、差し押さえは控えるべきだ」と迫りました。高市早苗総務相は「納税者の個別具体的な実情を十分に把握した上で、適正な執行に取り組んでほしい」と述べました。

参院総務委でNHK予算の反対討論

NHK経営委の「厳重注意」問題で「議事録公開」を求める

 

日本共産党の伊藤岳議員は3月31日、参院総務委員会でNHKのかんぽ不正告発番組をめぐる日本郵政グループの抗議に応じて経営委員会が上田良一会長(当時)を「厳重注意」した問題について、議事録の公表を重ねて求めました。

この日の委員会で、森下俊三経営委員長は「厳重注意」した際、上田会長が、郵政側の意向に従って「厳重注意」すれば「NHKとして存亡の危機に立たされかねない」と発言していたことを認めました。伊藤氏は「存亡の危機」という言葉がこの間の、「公表資料」に記載されていない理由を質間。森下氏は「大事なことはガバナンス(組鐵統治)なので、載せなかった」と答えました。

伊藤氏が、「会長は放送法に抵触すると感じたのではないか。議論のど真ん中の発言だ。なぜ一切出ないのか」と追及すると森下氏は「経営委員会として重大だと思っていなかった」と、放送法についての認識が問われる答弁をしました。

伊藤氏は「隠蔽(いんぺい)していると言われても仕方ない」と批判。議事録公表とともに上田前会長の参考人招致を求めました。

また、NHK予算に関連して「公平・公正で正確・迅速な情報の提供をしているという国民の信頼が揺らいでいることに、真剣に向き合うことがNHKには求められている」と指摘しました。