官邸に沿わぬと廃止か

衆院内閣委員会で、専門家会議めぐり塩川氏の発言

日本共産党の塩川鉄也議員は7月8日の衆院内閣委員会で、政府の新型コロナウイルス感染症対策の専門家会議が突然廃止されたのは、官邸の意図に沿わぬ専門家会議を政府対策本部から遠ざけようとしたものではないかといかと西村康稔特命担当相をただしました。

塩川氏は、政府対策本部直属だった専門家会議を廃止し「新型インフルエンザ等対策特措法に基づく有識者会議の下に分科会として位置付けることにした」と西村氏が述べたことに触れ、改組した組織の法的位置付けを質問。西村氏は、首椙が「行動計画」案を策定する際に学識経験者の意見を聴かなければならないとする同法65項に基づき、「有識者会議の下に分科会として置いた」と答弁しました。

塩川氏は「(同項は)平時対応の話だ。すでにコロナが発生し、政府対策本部が立ち上がり、コロナの『まん延の恐れが高い』状況での政府の対応は基本的対処方針であり、その策定に当たっては184項に基づき、政府対策本部に直結した組織(諮問委員会)において専門家の意見が求められる段階だ」「法的に位置付けるなら、これに位置付けるのが当然ではないか」と追及しました。

その上で、「これまで專門家会議は感染実態の状況分析や3密回避対策などを提言し貢献してきた」と述べ、これらの提言が反映され基本的対処方針となっていると強調。専門家会議が「感染対策として行動変容を促す意図から政府に経済的な補償の要請(624)に言及してきた」と述べていることを指摘し、「官邸の意向に沿わない提案を行ってきた専門家会議を政府対策本部から遠ざけようと意図したものだと言わざるを得ない」と語りました。

 

「まったくそういった意図はない」という西村氏に、塩川氏は「科学的知見を軽んずる姿勢ではコロナ対策を進めることはできない」と批判しました。

巨額予備費は財政民主主義を否定

塩川氏「政権の都合優先」

塩川鉄也議員は6月9日の衆院内閣委員会で、2020年度の2次補正予算案で10兆円もの予備費は、財政民主主義を否定するものだと批判しました。

政府は20年度予算の予備費233億円と1次補正予算233億円を使い、全世帯に2枚の布マスク(いわゆる「アベノマスク」)を配布。異物の混入や配布の遅れもあり国民から批判が相次ぎました。

塩川氏は、「補償なき自粛要請」など政府の対応への怒りが広がるなか、批判をかわそうと実施したのがアベノマスク配布だと述べ、「思いつきのばらまきに使うことは許されない」「これがまかり通ったのは、国会の事前チェックが働かない予備費だからだ」と指摘。「10兆円の予備費は、好き勝手に予算は使いたいが、野党に追及される国会は開きたくない政府与覚の身勝手な都合を優先したもの」とただしました。西村康稔経済再生相は「臨機応変に対応するため予備費は有意義」と述べるだけでした。

塩川氏は、大蔵省財政史室編纂『昭和財政史』が、戦前の予算編成を「徹底的単純化」し、「戦時に緊急な施策を臨機に実行できるように予備費を増加計上」「財政上の立憲主義は、残骸だけとなった」として、「新憲法の財政条項は、戦前の非民主的規定を廃止し、重要な項目の一つ目に財政処理の権限は国会にある」と指摘していると述べ、「予備費10兆円は財政民主主義を否定するもの」だと批判しました。

財政民主主義に反する、2次補正の予備費、塩川議員が追及

塩川鉄也議員は6月3日の衆院内閣委員会で、政府が第2次補正予算案に10兆円もの予備費を計上している問題を取り上げ、「財政民主主義に反する」と追及しました。

政府は新型コロナウイルス対策として、第1次補正予算に予備費15兆円を計上し、第2次補正予算案で10兆円を積み増そうとしています。

塩川氏は、リーマン・ショック時の予備費は1兆円、東日本大震災の際も8000億円で、これほど巨額だったことはないと指摘。憲法83条は「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない」と定めており、「過去に例のない10兆円もの予備費を政府に白紙委任することなど認められない」と迫りました。

菅義偉官房長官は「臨機応変に対応する必要がある。万全の備えだ」と正当化しました。

 

塩川氏は、戦前、国の予算は国会に決定権がなく、政府が戦費調達のために国債を乱発し、国家財政と国民生活を破綻させた反省から、日本国憲法は財政全般への国会による民主的統制を要請していると強調しました。その上で、「予備費での執行は、不透明な支出があっても国会の事前チェックが働かない」と批判。「国民・野党に追及される国会は開きたくないが、お金は好き勝手に使いたいという政権与党の都合だ。大規模な対策費が必要になれば、国会を召集し、補正予算を提出するべきだ」と厳しく指摘しました。

信号機撤去は見直せ、衆院内閣委

塩川鉄也議員は29日信号機撤去計画の見直の衆院内閣委員会で、信号機設置に必要な予算措置を求めました

警察庁は信号機設置指針と信号機合理化等計画(201923年度)を策定し、老朽信号機の更新費用を抑制しています。これに基づき都道府県警察が撤去が妥当と判断した信号機が2883機あります。(19年末時点)塩川氏は、広島市や滋賀県高島市では小学校通学路の信号機が撤去対象となり、保護者や党市議らの住民運動で撤去を見直させたと指摘。歩行者優先の原則が順守されず、信号機なしでは安全に横断できない現状があるとして、「通学路の信号撤去はやめるべきだ」と迫りました。

 

武田良太国家公安委員長は、地域住民の理解を得ることが重要だと述べ「十分に周知が図られるべき」と答えました。

個人情報守られない保護法改定案

塩川氏が反対

衆院本会議は28日、個人情報保護法改定案を採決し、自民党、公明党などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。

同日、個人情報を一元管理する都市をつくる「スーパーシティ法」が成立するなど、安倍政権は企業が個人情報を利活用しやすい仕組みをつくっています。

塩川鉄也議員は27日の衆院内閣委員会での反対討論で、審議中に、改定案では就活生の内定辞退率を算出して採用企業に販売したリクナビ問題のような事例が起きないと答弁できなかったと指摘。個人の権利・利益が守られるものになっていないと批判しました。

また個人情報の利活用を進める新制度である「仮名加工情報」は、法律上の保護の対象である個人情報も含まれるにもかかわらず、本人同意なしの利活用を可能とし、権利侵害があっても利用停止すら求められないと批判。「保護が伴わない利活用では、プライバシー侵害の恐れが高まり、認められない」と主張しました。

安倍政権は各種法制定で個人情報をもうけの種にした成長戦略を行い、経団連など経済界の身勝手な要望を優先し、個人の権利保障はないがしろにしたと指摘。プライバシーを守る権利は基本的人権だとして、「必要なことは、『忘れられる権利』など本人が個人情報をコントロールできる仕組みにすることだ」と強調しました。

 

黒川氏処分 訓告ありきのお手盛り

塩川議員法務省調査を追及

塩川鉄也議員は27日の衆院内閣委員会で、賭けマージャンをした黒川弘務前東京高検検事長の「訓告」処分にいたる法務省調査について追及し、法務省と内閣の協議の経過を明らかにするよう求めました。

塩川氏は、法務省の調査結果では、黒川氏が51日、13日での賭けマージャンを認める一方、「朝日」「産経」は4月にも複数回行っていたと公表していると指摘。「黒川氏に、4月の件は確認したか」とただしました。法務省の俣坂和人審議官は、「3年前から月12回程度賭けマージャンを行っていた」としか答えませんでした。

塩川氏は、法務省が訓告とした対象事実は51日と13日の2回だけだと指摘。「4月の複数回が反映されずに処分している」と批判しました。

また塩川氏は、『週刊文春』で元ハイヤー運転手が、黒川氏が78年前に賭けマージャンをしたとの証言について、黒川氏に確認したかを質問。保坂審議官は、本人確認はし

たとは答えませんでした。塩川氏は、「きわめてずさんな調査だ。限定した条件の中でしか調査せず、それを受けての訓告だ。結局、訓告に収まるような調査しか行っていない」と批判しました。

 

その上で塩川氏は、処分が決定されたプロセスに関して森雅子法相は「内閣と協議した」と述べている点について「内閣とは具体的に誰か」と質問。法務省は一切明らかにしませんでした。塩川氏は菅義偉官房長官に対して処分に関する過程で説明を受けたかを質問すると、菅官房長官は「ない」と答弁。塩川氏は、「幹部人事の職責は官房長官が持っている。にわかに信じがたい」として、これらの経過について報告するよう求めました。

衆院塩川氏、可視化・強化を要求

14日の議院運営委員会

塩川氏は「『宣言』解除の判断にあたり、医療体制の確保が極めて重要だ」と指摘。東京都を例に、厚生労働省ホームページで、入院患者受け入れ確保病床数2000(1日時点)に対し、入院患者数は1832(428日時点)となっていると指摘。西村担当相は、東京都に確認したところ、現在約3300床確保し、入院患者は1320人に減っていると答弁しました。

塩川氏は、厚労省の公表データが古いとして「数字をリアルタイムで反映するべきだ」と求めました。西村氏は「新しい情報を的確に国民に示すことが大事だ。できるだけ早く情報提供したい」と答えました。

塩川氏は、東京都の想定病床数「4000」について、「医療スタッフ、器材、防護具がそろっていて直ちに入院可能な状況ということか」と質問。西村氏は「直ちに入院可能なものではないが、医療スタッフや器材も含めて大学病院や公立・公的病院の了解を得ているものだ」と説明しました。

 

塩川氏は「確保数と想定数の違いが分からない」と述べ、厚労省の公表資料では医療体制の逼迫(ひっぱく)度が分かりづらいと批判しました。PCR検査についても「解除の大前提として抜本的に増やし、感染の全体像を把握する必要がある」と強調し、体制の整備・強化を改めて求めました。

自粛と一体で補償を

衆議院運営委員会は16日、政府が新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大する方針を示したことを受け、西村康稔経済再生担当相から説明を聞き、各党が質疑しました。

塩川鉄也議員は質疑で、緊急事態宣言の区域を全国に拡大する理由は何かとただしました。

西村担当相は、地方での感染拡大や都市部から地方への移動が感染拡大につながっている状況、人と人の接触の8割削減が十分にいき届いていないこと、地方の医療体制が不十分なことなどを判断理由にあげました。

塩川氏は、対象を拡大する判断基準のデータを明らかにするよう要求。西村氏は「データは後ほど提出する」と答えました。

 

塩川氏は、「全国に移動の自粛や営業の自粛を要請するのであれば、自粛と一体で補償を行うことが必要だ。補償をすることが感染防止に最も効果的だ」と求めました。西村氏は補償に踏み込んでいない政府の対策を述べるにとどまりました。

 

補償なき「緊急事態宣言」では感染拡大を防げない

塩川鉄也議員は7日の衆院議院運営委員会で、「感染防止のための自粛要請によって経済的損失を被る事業者等への補償を行ってこそ、感染拡大防止対策が実効性あるものとなる」と迫りました。安倍晋三首相は「個別の損失を直接補償することは現実的ではない」と直接補償を拒否しました。

「規模が大きいから困難なのか、個別の損失の直接補償そのものがだめなのか」とただした塩川氏。安倍首相は、さまざまな事業活動があることを理由に、「自粛を要請している方に限り補償することはバランスを欠く」と答弁しました。

 

塩川氏は、「密閉・密集・密接の『三つの密』の場所にしっかりと自粛を要請することで感染拡大防止対策の実効性が上がる」と強調。「感染拡大防止という公共の利益のために、営業自粛を実施する事業者に対して損失補償をすることは国民の理解を得られる」と述べ、自粛要請と一体の補償を実施すべきだと求めました。